「競技に打ち込んできたけれど、職務経歴書には何を書けばいいのだろう」。引退後の就職活動で、そんな疑問を持つ選手もいるかもしれません。
職務経歴書は、会社で働いた経験だけを並べる書類ではありません。これまでどのような活動に取り組み、どんな役割を担い、何を身につけてきたのかを、応募先に伝えるための書類です。競技経験も、事実に沿って整理することで自分を知ってもらう材料になります。
今回は、履歴書との違いから具体的な記入例まで、アスリートが職務経歴書を作る際のポイントを紹介します。
目次
- 職務経歴書は履歴書と何が違う?
- 最初に整理したい競技活動の内容
- 職務経歴書の基本構成
- 競技経験を伝える記入例
- 活動形態別の書き方と注意点
- 書き終えたら確認したいポイント
- まとめ:競技生活を具体的な経験として伝える
職務経歴書は履歴書と何が違う?
履歴書は、氏名・学歴・職歴・資格などの基本情報を整理する書類です。一方、職務経歴書では、活動の内容や担当した役割、工夫したこと、成果などをもう少し詳しく説明します。
職務経歴書:その期間に何に取り組み、どのような経験を積んだかを伝える
競技活動を職務経歴書に書く場合も、雇用されていたのか、個人事業主として活動していたのかなど、実際の立場を正確に示すことが大切です。
最初に整理したい競技活動の内容
いきなり文章を書こうとせず、まずは競技生活を振り返ってみましょう。大会の結果だけでなく、普段の取り組みも材料になります。
- 活動期間と形態:いつからいつまで、どのような所属・契約形態で活動したか
- 主な活動:練習計画、試合・大会への出場、コンディション管理など
- 役割:チーム内での役割、後輩への助言、関係者との調整など
- 工夫と改善:課題を見つけ、どのように取り組み方を変えたか
- 成果:競技成績、継続して取り組んだこと、改善できたこと
すべてを盛り込む必要はありません。応募する仕事と関係があり、面接でも具体的に説明できる経験を選びましょう。
職務経歴書の基本構成
職務経歴書に決まった書式はありませんが、初めて作る場合は次の順番で整理すると書きやすくなります。
- 職務要約:これまでの活動を数行で紹介する
- 職務経歴・活動経歴:期間、所属・活動形態、具体的な取り組みを書く
- 活かせる経験・スキル:応募先の仕事につながる能力を整理する
- 資格・免許:取得済みのものを正式名称で記載する
- 自己PR:経験を根拠に、入社後どう貢献したいかを伝える
競技歴だけでなく、アルバイトや会社勤務の経験がある場合は、それらも事実に沿って記載しましょう。
競技経験を伝える記入例
以下は、競技経験をどのように整理するかを示す記入例です。実際の経歴や応募先に合わせて内容を調整してください。
活動期間:20XX年4月~20XX年3月
活動形態:個人事業主として競技活動に従事
主な活動:
・年間の大会日程を踏まえた練習計画の作成と実施
・体調や練習記録の管理、課題に応じた計画の見直し
・大会への出場、関係者との連絡・調整
取り組み・工夫:
練習記録を振り返り、課題に応じてメニューを調整。継続的に改善を図った。
活かせる経験:
計画を立てて実行する力、状況に応じて改善する力、自己管理能力
活動期間:20XX年4月~20XX年3月
所属:株式会社〇〇(雇用形態・担当業務は実態に合わせて記載)
主な活動:
・チーム練習、大会への参加
・チーム内の情報共有、後輩への助言
・担当した社内業務がある場合はその内容
活かせる経験:
周囲との連携、役割分担、目標に向けた継続的な取り組み
競技成績や数字を入れる場合は、確認できる実績だけを記載しましょう。成果が目立たない場合も、課題にどう向き合ったかを具体的に説明できます。
活動形態別の書き方と注意点
個人事業主として活動していた場合
プロ競技選手の中には、企業に雇用されず個人事業主として活動する方もいます。その場合は「株式会社〇〇に勤務」などと書かず、活動形態を明示したうえで競技内容を記載します。
企業に所属していた場合
社員として雇用されていた場合は、会社名・在籍期間・雇用形態・担当業務などを正確に記載します。競技活動と一般業務の両方を担当していた場合は、それぞれ分けて説明すると伝わりやすくなります。
競技活動以外の仕事も経験している場合
アルバイト、指導、イベント運営などの経験も、応募先に関係するものは記載を検討しましょう。ただし、経験していない業務を加えたり、実際より大きな役割として書いたりしないことが基本です。
書き終えたら確認したいポイント
書き終えたら、内容だけでなく読みやすさも確認しておきましょう。
□ 活動期間や所属先、雇用形態に誤りがない
□ 競技活動と会社での業務を混同していない
□ 取り組みや役割を具体的に説明している
□ 数字や成績は事実に基づいている
□ 応募先の仕事に関係する経験を選んでいる
□ 誤字脱字、表記の揺れ、日付の不一致がない
□ 面接で質問されても自分の言葉で説明できる
書類を作るのが初めてなら、キャリア相談などで第三者に読んでもらうのも一つの方法です。自分では当たり前だと思っていた経験が、仕事につながる強みとして見えてくることもあります。
まとめ:競技生活を具体的な経験として伝える
職務経歴書は、競技成績の良し悪しを競う書類ではありません。競技生活の中で何に取り組み、どのような工夫を重ねてきたのかを、応募先にわかる言葉で伝えることが大切です。
まずは活動期間、役割、取り組みを箇条書きにするところから始めてみてください。履歴書や自己PRと内容をそろえながら、一つずつ整理していきましょう。