未来を見据えて行動する元競輪選手!
今回お話を伺った堀田 耕市(ほりた こういち)さんは、香川県で人気の整骨院を経営されています。競輪選手として活躍され、数々の経験を積まれた堀田さんに選手時代や現在の仕事について詳しくお話を伺いました。
1988年5月8日デビュー(61期)
・現役生活24年 通算成績284勝
2012年2月27日に惜しまれつつ引退
現在、「アトラス整骨院」経営
◆企業情報◆
まずは競輪選手時代の思い出をお聞かせください。
選手になるまではもちろん、なってからもトレーニングなど苦しいことは沢山あったけど、今振り返ると選手をやっている時が一番楽しかったなぁ。先輩、後輩、同期たちとの宿舎生活も意外と楽しかったし、師匠と一緒に走って、いつにない緊張感を味わったりとかね。それに地元で優勝できたことは格別だよね。本当にいい思い出ばかりです。
引退はいつ頃から考え始めましたか?
僕は結構大きい怪我が何回かあって、デビューしてすぐの練習中に居眠り運転の11tトラックに跳ねられて、腰と背骨が結構バラバラになっちゃったり、ゴール前で前輪が潰れて首が逆に折れ曲がるような転び方をして頚椎を損傷したりしたので、競輪選手をまっとうすることは難しいという不安をずっと持っていました。
不安があったと伺いましたが、引退後のために何かされましたか?
40歳で選手を辞めても困らないように何か対策をしておこうと思い、結構、早い段階から投資を始めました。だから、今もそれなりに助かっています。そういうこともあって、弟子たちにきちんと資産を運用するよう伝えています。
引退後に柔道整復師の道に進んだ理由は?
もともとトレーニングの方法や体のことを勉強することが好きだったんです。怪我も沢山したので自分の体に違和感があるとモヤモヤし、とにかく体のメカニズムを勉強していました。だから、次の仕事に繋がったらいいかなという思いと、自分が怪我をした時に色々な先生にお世話になったので、それをどこかで恩返しできたらとの思いもあり、選手時代に【柔道整復師】の夜間学校に通って国家資格を取っておきました。
引退したきっかけは?
柔道整復師の資格を活かすターニングポイントは45歳かなと思っていましたが、それを過ぎても選手を続けていました。でも、そろそろ本気で切り替えなければと思い、次のレースを最後にしようと決め自主代謝しました。ずるずる選手を続けて50歳を過ぎてから柔道整復師を始めていたら、うまくいっていなかったかもしれないです。
起業を選んだ理由は?
自分で工夫しながら事業に取り組んで、収入という対価を得られるところですかね。就職した方が安定するかもしれないですけど、起業にはそういう魅力がありますよね。
店舗はどうやって見つけましたか?
地方紙の四国新聞に、たまたま売り出しの記事が載っていたのを見つけました。そして、購入を決める間に値段がちょっとずつ下がっていったので、今かなと電話をして購入しました。1階は内装をリフォームし自身の店舗にして、2階は階段やドアをつけて賃貸として貸しています。それが一つの収入にもなっています。
お仕事のやりがいは?
捻挫や肉離れなど歩行に問題がある方が帰りにススッと歩くことができたり、ぎっくり腰で抱えられてきた方が普通に帰れたりすると「よっしゃ」って思います。そして帰り際に「ありがとうございました」「助かりました」と言ってもらえると、凄くやりがいを感じますよね。
競輪選手時代のことで役立っていることはありますか?
そうですね、ずっと体と向き合う仕事をしていたので、色々な視点から症状を見ることができるんです。だから、選手時代の怪我も体験してよかったなと思います。
最後にこれからセカンドキャリアを考える後輩たちへアドバイスをお願い致します。
競輪選手を辞めてみて、やっぱり競輪選手をしていた時が一番楽しかったって気が付いて、その話を仲間とよくするんです。僕は競輪選手を最後までまっとうすることができなかったから、現役の選手たちには怪我なく、長く頑張って楽しんでほしいです。
セカンドキャリアは、自分の好きなことが仕事に繋がったらいいなと思います。僕は人の体を治す仕事ですけど、ものづくりでもいいし、パソコンができるんだったら、そういう企業に勤めたりね。現役をしながら、自分の好きなことを最初は趣味としてでもいいので見つけてください。それがのちに役に立つ時がくると思うので。
インタビューを終えて
デビュー直後の事故や頭部からの落車のお話を伺い、改めて競輪選手が如何に危険と隣り合わせの職業であるかを痛感しました。それでも「選手時代が一番楽しかった。競輪選手をまっとうしたかった。」と仰られる言葉から、強く競輪愛を感じました。
現在は柔道整復師として、現役時代に自分が受けた恩を皆様に還元したいという志で、たくさんの方の健康を守られています。これからも堀田さんの手によって笑顔を取り戻される方が一人でも多くいらっしゃいますよう、陰ながら応援しております。
掲載日:2024年11月13日
Copyright © 2020 NIPPON TOTOR Co.Ltd. All rights reserved.