―――色んな挑戦の結果が、今に繋がっているんですね。
全日制から転学してきた生徒も含めて、「転学して良かった」「今の学校で高校生活が最高に楽しく充実していた」などの声も多く、難関私立大学・国公立大学の合格者も出ていますので、本校から日本を変えるようなすごい人材がでるかもしれない。そんな生徒たちの後押しをしてきたいですね。
私自身、教員の仕事も壁にぶつかることがあるとは思いますが、それを乗り越えることが自分を一回り大きくするチャンスだと思って、頑張りたいと考えています。
ただ、本業は競輪選手っていうところをブレないようにしたいですね。
―――ご自身の経験を通し、「将来の夢」について子どもたちにどんなことを伝えたいですか?
恐れずにやりたいことをやれって感じです。競輪でいう先行もそうですけど、逃げなきゃ結果はわからない。それで1着だったら最高じゃないですか!だから「逃げてから考えろよ」みたいな感じで一歩を踏み出してもらいたい。
私も教員として、もしかしたら大失敗するかもしれませんけど(笑)
―――デュアルキャリアを成功させるために、ご自身で重要だと考えていることは何ですか?
独身時代と違って、午前中練習して、午後に娘のお迎え、その後娘と遊んで夜は19、20時には寝かしつけて、翌朝5、6時には娘が起きるといった感じなので、時間を有効に使うよう心掛けています。レース参加中にも保健体育の勉強の時間を作ろうかなと考えています。
―――今後の目標や夢について。
生徒たちと信頼関係が築けたらいいなとは思っています。スポコン熱血系で生きてきてるんで、それが教員として吉と出るか凶と出るか!?(笑)
選手としては、己の走り「先行」を貫くならあと何年やれるのかな?とは思いますけど、娘が義務教育を終えるまで、あと10年は頑張りたいですね。
―――今後、挑戦してみたいことはありますか?
競輪界も若い人が少なくなってきた印象があるので、若手の育成には興味がありますね。
育成もですが、高校、大学で勧誘活動をしたいです。今、ガールズサマーキャンプin弥彦というのを私が提案して去年から続けてもらっているんですけど、参加者が去年の2人から今年は8~10人くらい来たのかな。定着してくるといいんですけどね。
―――夢に向かって挑戦している後輩へのメッセージをお願いします。
「何でもどんどんやってみなよ!」ですね。夢に向かって努力したら何でも出来るのではないかと。何でも興味を持ったことがあったら、年齢は関係ないぞ!って思います。命懸けでやって、達成出来たら最高じゃん!みたいな感じです。
―――後輩選手に対してアドバイスなどせひ。
負けを恐れず仕掛けたらいいじゃんって思います。負けても死ぬわけじゃない、またすぐにレースがあるし、練習すればいい。
同じ7着でもジャン(打鐘)から全開の7着だったら、いつかは3着になるかもしれないし、1着になるかもしれない、そう思います!
◆◆初めての授業を終えた加瀬さんからご報告が届きました。◆◆
2024年の12月某日、約40名の生徒を前にして不安を抱えながら教壇に立ち、5時間という長丁場に挑んだ加瀬さん。
大学時代に鈴木大地さん(水泳オリンピックメダリスト)から受けた授業を思い出しつつ、アスリートとして伝えられることをご自身の経験を交えながら、次世代を担う生徒の皆さんに熱く語ったとのこと。
ほとんどの生徒が、鈴木大地さんを知らないというジェネレーションギャップに戸惑いながらも、授業を終えた生徒たちから受け取ったレポートには、それぞれの熱い想いが綴られており、安堵すると同時に確かな手ごたえを感じたようです。
インタビューを終えて
加瀬加奈子さんのインタビューを通じて、加瀬さんの「挑戦する勇気」と「決して諦めない心」が、どれほど加瀬さん自身を駆り立てているのかを感じることができました。
競輪選手として第一線で活躍しながら、教員としての一歩を踏み出す加瀬さんの姿は、プロアスリートにおけるロールモデル(※1)の一例として、多くの人に勇気と刺激を与えるに違いありません。
これからも「先行一本勝負」のマインドで、多くのアスリートや生徒に影響を与えながら、自己の可能性を探求し続けていくことでしょう。
加瀬さんの今後益々のご活躍を心から祈っています。
諦めない心は最強ギア! 競輪選手・加瀬加奈子は、教員への夢に向かって再び「駆ける」!
※1「将来こうありたい」と目標にする存在
加瀬 加奈子さん
2011年 競輪学校(現在の日本競輪選手養成所)の第102回(女子第1期)試験に合格
自転車競技大会でも好成績を収めつつ、
2012年 第102回卒業記念レースで完全優勝し、女子初代同レース優勝者として名を刻む
2018年 ご結婚
2019年 第一子を授かり、1年ぶりにレースへ復帰
2024年 現在も競輪選手として第一線で活躍中でありながら、
通信制高校で保健体育の教員としての夢をかなえる
通算成績(2024年11月30日現在)901勝、優勝57回、ガールズグランプリ出場3回、GⅠ出場3回
掲載日:2024年12月16日
Copyright © 2020 NIPPON TOTOR Co.Ltd. All rights reserved.