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現役競輪選手×ラーメン店経営——
二足のわらじで挑戦する戸ノ下太郎さんに迫る

戸ノ下 太郎さん

飲食店 競輪選手/76期

今回お話を伺ったのは、横浜家系ラーメン「吟家(蘇我店・稲毛店・実籾店)」を経営されている現役競輪選手の戸ノ下太郎(とのしたたろう)さん(76期)。選手とお店経営でお忙しい中、快くお時間を割いてくださいました。

――飲食店を始めたきっかけは?

東日本大震災がきっかけでした。震災により、1か月〜1か月半ほど仕事が止まった時に、「何か始めないとお金がなくなっていくぞ!」という状況になったんです。
それで副業を始めようと本を読んで勉強している中で、鈴木守さん(元競輪選手・千葉・61期)に今のお店の話を紹介してもらい、始めました。

――開店までのご苦労は?

店を探すのはすごく大変でした。
不動産屋に探してもらいましたが、ほとんどの場所で「ここはダメです。ここは売れませんよ。」と言われ、店舗を見つけるまでに1年近くかかりました。あとはお金もちょっと大変でした。
東日本大震災の特別貸付がありましたが、共済会の方から借りまして、それもほとんど、準備等の資金ですぐに無くなって行って(笑)
他にも厳しいことはいろいろありますけど、あんまりそれを言ってしまうと、二足のわらじを履くことに躊躇する人が増えてしまうかも(笑)

――二足のわらじでのご苦労は?

新規オープンの時は、毎日16時間働き続けてから自宅に帰り、風呂に入って寝るという生活が続きました。
それが1か月のうちの10日目くらいになると、競輪の練習もあるため、非常に厳しかったです。
現在は、月に3日、4時間ほどお店に立っています。競輪もおろそかにしたくないので練習も頑張っていますが、うまくレースができない時もあります。
しかし、私はどちらも楽しくやりたいと思っています。

――競輪選手になって良かったこと、役立っていることは?

選手というのは、すべてに支えられているということを実感しました。宿舎や控室など、何から何まですべてが整っています。それが当たり前だと思っていましたが、一般社会を知ったことで、当たり前ではないことに気づくことができました。
選手に関わってくださるすべての方々に感謝しています。本当に選手をやれていることは最高だと思います。それが走る喜びにつながり、感謝の気持ちも倍増します。
その結果、関わる人に感謝すること、真面目に接するという姿勢が身につきました。

――ラーメン店運営の醍醐味は?

お客様に「美味しかった」と言っていただくことが一番の喜びです。特に、元気に「美味しい」と言ってくれる子どもたちの声は嬉しく、また可愛らしいですね。
そして、お客様とのコミュニケーションが楽しいです。お客様は年配の男性が多いのですが、その方たちといろいろな会話をすることが一番の楽しみです。
お客様との温かいふれあいが、何よりも大切です。

――セカンドキャリアを考える選手へ

選手は、競輪に人生のすべてを注いでいるところもあるから、セカンドキャリアに対して知識がなく、いろいろな不安があると思います。
だから、先輩に相談したり、共済会に紹介してもらったり、日本トーターさんのようにセカンドキャリアを支援してくれるところに相談に行ったりして、前に進むことが大切だと思います。
あとは、時間がある時は自分で本を読んだり、YouTubeでもセカンドキャリアを考えることに役立つものもあるので、情報をつかんでほしいです。

インタビューを終えて

この取材を通じて、飲食店を始めたきっかけや開店までの努力、二足のわらじでの苦労など、戸ノ下さんの率直な話を伺うことができました。飲食店を始めるきっかけとして東日本大震災の影響が挙げられ、その厳しい状況から副業を始めることを決断した経緯が印象的でした。
「選手というのは、すべてを支えられている」という言葉から、感謝の気持ちを大切にする人柄が伝わってきました。また、お客様とのふれあいやコミュニケーションを楽しんでいる一面も垣間見え、その姿勢が成功につながっていると感じました。
取材時は、昼食時間のピークを過ぎた14時でしたが、お客様がいらっしゃり、横浜家系ラーメンのファンから支持されていることがうかがえました。私も人気No.1の「吟得ラーメン」をいただきました。中太麺で濃厚な豚骨ベースは家系ならではですが、クリーミーな味わいで脂っぽさがなく食べやすく、とてもおいしかったです。
戸ノ下さんの素晴らしさは、他人になんと言われようとも自分の信念を曲げず、新しいことを楽しんでチャレンジしている点です。勉強熱心でありながら大胆さもあり、尊敬することが多くありました。

戸ノ下太郎さん プロフィール

1995年8月6日デビュー(76期)
★選手生活28年 現通算成績304勝 絶賛活躍中!
2012年1月6日に惜しまれつつ引退
千葉県で家系ラーメン店を複数経営されています。

掲載日:2024年2月16日
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