永井 亮さん
今回お話をお伺いした永井亮(ながいりょう)さんは、元競輪選手(89期)。
大学時代には、ボブスレー全日本選手権大会4人乗りで優勝されたご実績もお持ちです。
2022年7月に引退し、約18年間の競輪選手人生に幕を下ろしました。
華やかなスポットライトを浴びるプロアスリートの世界からの転身。
そんな永井さんが進んだ新たなフィールドは、テレビCMでおなじみの買取専門店「買取大吉」のフランチャイズオーナーという道でした。
買取専門店「買取大吉」は、全国に550店舗以上を展開する、信頼と実績のある買取専門店です。
――FCオーナーとして新しい船出を迎えられました、今どんなお気持ちですか?
2022年7月に引退し、翌年2月のオープンまで約8か月。オープンまで結構時間がかかったなというのが率直な感想です。
本部からも全国的に冬は厳しいと聞いていましたし、北海道の冬は人の動きが少ないこともありましたが、覚悟を決めて2月オープンを決断しました。
不安もありましたが、4月、5月と季節が進むにつれ、だんだんと人の動きも戻ってきました。
今は、このまま順調にいってくれればと思っています。
――これまでの選手人生で役に立ったことはなんですか?
選手時代の経験で、この仕事に役立ったことがあるかと言われれば、特にないですかねぇ(笑)
しいて言うなら、若い頃からブランド品などに触れてきたので、本物と偽物の見分けが感覚的にできるようになっていた、という点はあるかもしれません。
あとは、選手時代に築いた地元の人脈も役に立ちました。親しい友人らに店舗の内装工事について相談に乗ってもらったりもしましたね。工事費の節約にもつながり、大変感謝しています。
――出店場所(物件探し)で、ご苦労されたと伺いました。
すでに札幌には多くの出店があったため、地元である恵庭での出店を決めました。
このエリアでは千歳や北広島にも店舗がありますが、商圏はほぼ重ならないと考えています。
――開業によって得た喜びは?
高額買取のお客様がいらしたときは、やる気が出ますね(笑)
売上に対する不安はありますが、緊張感やプレッシャーという点では、選手時代よりも気持ちは楽になりました。
一方で、収入面については選手時代に比べると不安もありますが、それも含めて今の仕事だと思っています(笑)
――お客様に対しての心がけ、心構えは?
安く買い取ろうとせず、無理に利益を優先しない。そのような考えのもと、誠意をもって接客することで、一人でも多くのお客様にリピーターになっていただければと思っています。
――常連のお客様はできましたか?
何度か足を運んでくださっているお客様はいらっしゃいます。また、過去にご利用いただいたお客様のご紹介で来店される方もいらっしゃいます。大変ありがたいですね。
チラシに掲載しているクーポンを持参して来店されるお客様もいらっしゃるため、広告宣伝は欠かせません。
――開店資金の調達については?
開店資金はおおよそ1,000万円です。退職金があったため、借り入れは行いませんでした。
選手生活約18年間で稼いだお金は、何かを購入するためではなく、新しいことを始めるために使いたいと考えていました。
――開店に至るまでにどんなご苦労がありましたか? また、コロナの影響は?
北海道は路面店にしてしまうと雪かきなどで大変になることが分かっていたため、商業施設内への出店を考えていました。フランチャイズ本部のサポートもあり、自身が本当に忙しかったのはオープン直前の1か月間くらいでした。
普段の生活に密着した商業施設への出店ということもあり、オープン後もコロナの影響を感じることはほとんどありません。
――「買取大吉」との出会い、加盟に至った決め手は?
買取店を数社、評判や既存店など多方面から比較検討した結果、最終的に残ったのが買取大吉でした。実際にフランチャイズ本部のお話を伺った際も好印象でしたし、何より「買取大吉」の知名度(ブランド力)の高さは、決め手としてよかったと感じている点のひとつです。
加盟される方の中には、もともとリサイクルショップなどを運営されていて、「大吉」のブランド力を求めて加盟される方もいるそうです。広告(チラシ)を見ていないお客様が、ネット検索から「買取大吉なら安心」とご来店いただけることもあります。
そういったときは、フランチャイズ料を支払った価値があったと感じますね。
もし個人で飲食店を開業していたとしたら、知名度や集客の面でもっと苦労していたのではないかと思います。これも巡り合わせなのかなと。これまでの人生でも、そうした選択が多かったように感じます。
――ちなみに比較検討したフランチャイズや職業はありますか?
正直に言うと、当初は買取店をやろうとは全く思っていませんでした。
妻がマッサージ店を経営している関係で、引退前に「リラクゼーション企業」の合宿研修を受けていたのですが、コロナの影響で中止となり、再開も未定になってしまって……それがきっかけで、他に何かないかと探し始めました。
コロナ禍での飲食は厳しいですし、在庫を抱えるリスクのない事業が良いと考えていました。このご時世、お金にまつわる話を耳にする機会も増えたことから、最終的に買取店を選びました。
――フランチャイズ加盟のおすすめポイント、留意点は?
ネームバリューや知名度を得ることができる点は大きいと思います。実際にオープンして2か月ですが、売上も先月からプラスで推移しており、選手時代と同じくらいの収入になっています。
今月もペース的には先月と同じか、それ以上で推移しそうです。ワンオペで運営する分には、サラリーマンと同等か、それ以上に稼げる可能性はあると思います。
気を付けるべき点としては、フランチャイズ料が必ずかかること、また契約期間や途中解約時の違約金制度などをしっかり確認することだと思います。
あとは、客足が遠のく冬の時期が心配ですね。比較的安い家賃でやらせてもらっていますが、それでも不安はあります。
――フランチャイズ本部のサポート体制はいかがですか?良い点、改善希望点など
研修については、1週間ほどの初期研修があります。買取査定のレスポンスも非常に早く、助かっています。
希望としては、判断が難しい商品の引き取り対応についてもサポートがあれば、よりありがたいですね。せっかくお越しいただいたお客様をお断りすることがあると、申し訳なく感じてしまうので。
――今後の野望は?
今のところ2号店は考えていませんが、リスクマネジメントの観点から、次は他業種での展開も視野に入れています。
――後輩の方々にセカンドキャリアについてアドバイスをお願いします。
選手時代もそうでしたが、今も変わらず「お客様あってこそ」だと思っています。なので、見た目(身だしなみ)には気を使っていますし、ジム通いも続けています。
今、心掛けていることは、引きこもらず外に出ていくこと。選手時代と同じ生活はできませんが、なるべく人と会うようにしています。
やればなんとかなる、やれば何とかしようとする気持ち(ポジティブシンキング)で、一歩を踏み出す勇気が大切だと思います。とりあえずやってみる。やらなければ、ずっとそのままになってしまいますから。
あとは、趣味を持つこともモチベーションを保つ秘訣ですね。今の仕事が軌道に乗ったら、ボディービルの大会にも出てみたいと思っています(笑)
お話を伺う中で、戦うフィールドが変わっても、まさにレースに挑む選手のような覚悟を感じました。
お友達のエピソードからも、人と人とのつながりを大切にされていることが伝わってきます。
「不安がないと頑張らない。不安があるからこそ頑張れるのではないか」――本日のテーマである「コロナ禍での新たな挑戦」にふさわしい、アスリートらしい熱いお言葉をいただき、取材を終えました。
好奇心旺盛な永井さんは、これからも仕事だけでなく、さまざまなことに挑戦していきたいとのこと。永井さんの挑戦は、これからも続いていきそうです。
その歩みを、Tキャリ一同応援しています。
永井亮さん プロフィール
2004年7月3日デビュー(89期)
★選手生活18年 通算成績121勝
2022年7月7日に惜しまれつつ引退
現在は、「買取大吉 ビッグハウス恵庭店」の店長として奮闘されています。