インタビュー#FILE07(元競輪選手の戸ノ下 太郎さん) | Tキャリあなたのセカンドキャリアを応援します!

複数ラーメン店を経営している現役選手のお話を伺いました!

今回、横浜家系ラーメン「吟家」稲毛店・蘇我店へお邪魔しました。

お話を伺ったのは、横浜家系ラーメン“吟家”を経営されている現役競輪選手の戸ノ下 太郎(とのした たろう)さん。

現通算成績309勝、選手生活28年、絶賛活躍中。 千葉県で家系ラーメン店を複数経営されています。


◆店舗情報◆


「吟家・稲毛店」 ※店舗詳細はこちら


「吟家・蘇我店」 ※店舗詳細はこちら


「吟家・実籾店」 ※店舗詳細はこちら


「X(エックス)」 ※個人SNS

飲食店を始めたきっかけは?


東日本大震災がきっかけでした。震災により、1ヶ月~1ヶ月半くらい仕事が止まった時に、何か始めないとお金が無くなっていくぞ!って状況になったんです。 それで、副業を始めようと本を読んで勉強している中で、鈴木守さん(元競輪選手・千葉・61期)に今の店の話を紹介してもらって始めました。

開店までのご苦労は?


店を探すのはすごく大変でした。不動産屋に探してもらいましたが、ほとんどの場所で「ここはダメです。ここは売れませんよ」と言われ、店舗を見つけるまでに一年近く掛かりました。あとはお金もちょっと大変でした。
東日本大震災の特別貸付がありましたが、共済会の方から借りまして、それもほとんど、準備等の資金ですぐに無くなって行って(笑)他にも厳しいことは色々ありますけど、あんまりそれを言ってしまうと、二足のわらじを履くことに躊躇する人が増えてしまうかも(笑)

二足のわらじでのご苦労は?


新規オープンの時は、毎日16時間働き続けてから自宅に帰り、風呂に入って寝るという生活が続きました。それが1ヶ月のうちの10日目くらいになると、競輪の練習もあるため、非常に厳しかったです。現在は、月に3日、4時間ほどお店に立っています。競輪もおろそかにしたくないので、練習も頑張っていますが、上手くレースが出来ない時もあります。しかし、私はどちらも楽しくやりたいと思っています。

競輪選手になって良かった!役立っている事は?


選手というのは、全てを支えられているという事を実感しました。宿舎、控室、何から何まで全てが整っています。しかし、一般社会を知った事で、それが当たり前ではないと気付きました。選手に関わってくださる全ての方々に感謝しています。本当に選手をやれている事は最高だと思います。それが走る喜びに繋がり、感謝の気持ちも倍増します。その結果、関わる人に感謝する、真面目に接するという姿勢が身につきました。

ラーメン店運営の醍醐味は?


お客様に『美味しかった』と言って頂くことが一番の喜びです。特に、元気に『美味しい』と言ってくれる子供たちの声は嬉しく、また可愛らしいですね。そして、お客様とのコミュニケーションが楽しいです。お客様の中には年配の男性が多いのですが、その方たちと色々な会話をすることが一番の楽しみです。お客様との温かい触れ合いが何よりも大切です。

セカンドキャリアを考える選手へ


選手は、競輪に人生のすべてを注いでいるところもあるから、セカンドキャリアに対して知識がなく、色々な不安があると思います。だから先輩に相談したり、共済会に紹介してもらったり、トーターさんみたいなセカンドキャリアを支援してくれるところに相談に行ったりして、前に進む事だと思います。あとは、時間がある時は自分で本を読んだり、YouTubeでもセカンドキャリアを考える事に役立つ物もあるので、情報を掴んでほしいです。

インタビューを終えて


この取材を通じて、飲食店を始めたきっかけや開店までの努力、二足のわらじでの苦労など、戸ノ下さんの率直な話を伺うことができました。飲食店を始めるきっかけとして東日本大震災の影響が挙げられ、その厳しい状況から副業を始めることを決断した経緯が印象的でした。

『選手というのは、全てを支えられているという』という言葉から、感謝の気持ちを大切にする人柄が伝わってきました。また、お客様との触れ合いやコミュニケーションを楽しんでいる一面も垣間見え、その姿勢が成功に繋がっていると感じました。

取材時は、昼食時間のピークを過ぎた14時でしたが、お客様が数人いらっしゃり、横浜家系ラーメンのファンから支持されていることが伺えました。私も人気No.1の吟得ラーメンをいただきました。中太麺で濃厚な豚骨ベースは家系ならではですが、クリーミーな味わいで脂っぽさがなく食べやすく、とても美味しかったです。

戸ノ下さんの素晴らしさは、他人になんといわれようとも自分の信念を曲げず、新しいことを楽しんでチャレンジしている点です。勉強熱心でありながら大胆さもあり、尊敬することが多くありました。