インタビューNo.15 元競輪選手:川上 貴正さん | Tキャリあなたのセカンドキャリアを応援します!

ものづくりが大好きな元競輪選手!

今回、お話を伺った元競輪選手の川上 貴正(かわかみ たかまさ)さんは、競輪選手を諦めて一度は就職しました。しかし、師匠の卒業記念レースを観に行ったことで奮起!再度挑戦して競輪選手に!お忙しい中、お時間を頂きインタビューさせていただきました。

1989年4月14日デビュー(63期)
・現役生活16年 通算成績83勝
2005年7月5日に惜しまれつつ引退
現在、「豊機工有限会社」に勤務


◆企業情報◆


「豊機工有限会社」※企業ホームページはこちら


まずは競輪選手時代の思い出をお聞かせください。


今になってみれば全部がいい思い出です。レースの緊張感は逃げ出したくなるほどでしたが、振り返ると “すごく楽しかったな”と思います。選手宿舎では、みんなとお酒を飲んで楽しかったです。現在の選手宿舎は、お酒が飲めなくなっているみたいで残念に思います。
玉野競輪場の選手宿舎の食事は、一番美味しかったです。特にオムライスは忘れられない味です。


引退を考えたきっかけは?


高校生のころから腰の調子が悪くヘルニアでした。飛行機で高松に行ったときに歩くことが困難なほど痛みがひどく、客室乗務員の方に「何かお手伝いすることはありませんか」と声をかけられたこともありました。体の不調もありましたが、38歳の時に40歳を過ぎたら社会に出ても仕事がなくなってしまうのではないか?競輪も頑張れて、あと2~3年ではないか?と思い、“今のうちに何とかしないと”と考えました。


就職活動はどうされましたか?


当時の支部長だった古江健一さんが「辞めてほしくはないけど、おまえの仕事は俺が探すから」と言ってくれて、サテライトみぞべの社長に話を通してくれました。おかげで、すぐに採用してもらうことができ、13年間サテライトで勤務しました。


セカンドキャリアは就職と起業と迷いませんでしたか?


自分で起業をすることはできないと思っていましたし、もともと会社で働いていた経験があるので、普通に会社員として生活していこうと思いました。


現職に転職したきっかけは?


サテライトを辞めた後、しばらく何もしない時期がありました。その時に “このまんまじゃ絶対仕事しなくなるなぁ”と思い、ポリテクセンターに通うことにしました。希望していた電気設備技術科は定員オーバーしていたので、空きのあった金属加工科に通いました。ポリテクセンターでは、受講者に仕事を斡旋するために企業へ経歴書を配布するのですが、僕の経歴を見た会社の現会長が「うちに来ないか」と声をかけてくれました。


このお仕事のご苦労は?


重い物を持たなきゃいけないし、暑い場所での作業など大変な仕事ですが、競輪時代の練習に比べれば全然なんともないですね。周りから「元気だね」って言われます(笑)


この仕事のやりがいを教えてください。


昔からものづくりにすごく憧れがあったんですよ。何かが完成すると、体がきつくても “ああ、やってよかったなぁ”って感じます。以前、大きな台風が来た時に清掃工場の修理に行き、台風の中、作業をしたんですけど、作業に集中していたため停電していることに気付かなかったなんてこともありました(笑)


競輪選手時代の経験が役立っていることは?


どんなにきつくても競輪に比べれば大したことじゃないと思えることですかね。練習のことを思い出せば、どんな仕事も全然普通にできます。あとは何かを追求する癖がついているので、仕事で分からないことがあれば勉強するところが活かされています。



最後にこれからセカンドキャリアを考える後輩たちへアドバイスをお願い致します。


競輪選手は個人事業主なので横柄な方もいましたが、社会に出たらそれは通用しないです。競輪選手はすごいけど、一般社会にもすごい方はいっぱい居ます。社会はそんな甘くなく、覚えなきゃいけないことは山ほどあるから、いろんなことを勉強してほしいです。アドバイスとしては、楽しんでいろんなことを嫌がらずにやってください。周りの人も助けてくれますし、やっていけばなんとかなります。私もわからないことが嫌なので、今でもずーっと勉強しています。最初は何がなんだかわからなかったことも、本当にびっくりするぐらい、なんとかなるようになりますよ。

インタビューを終えて


川上さんの競輪選手としての再挑戦や、ものづくりに対する情熱には深く感動しました。競輪選手時代に培った努力と情熱が、現在の仕事に活かされ、川上さんの原動力になっていることが強く感じられました。川上さんの今後のさらなるご活躍を心よりお祈りしています。

川上さんが後輩たちに向けて語った「社会の厳しさ」と「学び続ける大切さ」というメッセージは、これからのキャリアを考える多くの人にとって大きな参考になったと思います。どんなに困難な状況でも、前向きに挑戦する姿勢を持ち続けることの重要性を、改めて教えていただきました。

掲載日:2024年9月11日