インタビューNo.16 元競輪選手: 大久保 聡さん | Tキャリあなたのセカンドキャリアを応援します!

観光型ブルーベリー農園の先駆者に!

鹿児島初の養液栽培による観光型ブルーベリー農園を開園された元競輪選手の大久保 聡(おおくぼ さとし)さん。2024年6月の開園以来、軌道に乗せるため奮闘されています。この度、貴重なお時間を頂きお話を伺いました。

2001年8月11日デビュー(86期)
・現役生活21年 通算成績122勝
2022年8月23日に惜しまれつつ引退
現在、観光農園「ブルーベリー農園みなみおおすみ」を経営


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まずは競輪選手時代の思い出をお願いします。


一番の思い出は、27歳の時にレインボーカップに出場できたことです。セカンドステージで、9番手から差し込むと “ふわ”っと道が開けて一着!ファイナルステージも調子が良く、S級に特進することができました。
28歳の頃、支部の役員を任されました。そのときに様々なことに挑戦したいと思い、ボランティアで自転車教室を開いたり、競輪以外の活動にも取り組みました。自転車教室は、その後NPO法人を立ち上げて、今でもレースや記録会などを行っています。NPO法人で様々なイベントを開催できているのも、競輪選手になったからこそと感じます。


引退を考えたきっかけは?


大きな理由があったわけではなく、ミッドナイトの時、急に空き時間が無駄に思え “やめよう ” と決めました。引退する決意が揺らがないよう、同じレースに出場していた仲間に引退を宣言し、家に帰って妻にも伝えました。当時、役員の任期があと1年半残っていたので、最後まで責任をもって役員を続けました。



セカンドキャリアは就職と起業で迷いませんでしたか?


自分はわがままじゃないと思っていても、社会から見たらわがままなんじゃないかと思えたので起業を選びました。


セカンドキャリアにブルーベリー栽培を選択した理由は?


実家が農家でコロナ禍でも食べ物に困らなかったことが大きいです。ブルーベリーを選んだ理由は、新聞で偶然目にした記事がきっかけでした。ブルーベリーについて調べれば調べるほど、疲労回復に効果があることや加工がしやすく無駄が少ないなど、たくさんの魅力に引き寄せられました。また、実家と同じものを作るのは、まだ先かなと思ったのも選んだ理由です。


開園までにご苦労はありましたか?


予想以上に土地探しに苦労しました。「ブルーベリーは土地探しに苦労するよ」と多く方々に言われましたが、田舎だから大丈夫だろうと軽く考えていました。しかし、ブルーベリーの栽培方法に理解を得られず、なかなか土地を貸してもらえませんでした。多くの方々に協力をいただいた結果、自宅から近いこの場所を見つけることができ、本当に良かったです。また、水源の確保も課題で160mの井戸を掘る必要があり、費用も結構かかりましたが、町からの補助金で補うことでき、すごく助かりました。


この仕事のやりがいを教えてください。


やはり来園されたお客さまに「美味しい」って言ってもらえることです。コツコツと努力した結果、お客さまが喜んでくれるところは競輪と似ているかなと思います。それに子供育てみたいなところですね。手間をかければかけただけ応えてくれますし、ほったらかすとひねくれます(笑)


おすすめのブルーベリーは?


ブルーベリーは約300品種あるんです。その中から、僕が厳選して栽培しているのは38種類です。僕のおすすめは一般の方にも人気がある “サウスムーン” です。

競輪選手時代の経験が役立っていることは?


コツコツと物事を続ける習慣が身についたので、ブルーベリーが不作でも結果を焦らず辛抱強く試行錯誤しながら、原因が分かるまで先生や農園仲間に相談して、粘り強く取り組むことができるところです。



現在も輝き続けている秘訣は?


夢を持つこと、燃え尽きないことかな。他の競輪選手の皆さんは燃え尽きた後でも、また頑張るじゃないですか、すごいですよね。でも、僕にはできないなって。だから、燃え尽きる前に新たな挑戦を始めたことですかね(笑)

最後にこれからセカンドキャリアを考える後輩たちへアドバイスをお願い致します。


皆さん競輪一筋で生きてきたと思うんです。そのため、引退後は社会に “ぽっ”と出される不安を感じる方も結構いると思うんです。選手時代は「辞めた後のことを考えると弱くなるよ」って周りから言われるし、僕もそう思っていましたが、今は元気なうちにいろんな勉強をして、視野を広げた方がいいと考えています。競輪は面白いですけど競輪と同じぐらい楽しいことは、いっぱいあるから、その中で競輪も頑張ればいいと思います。結構競輪選手ってタフなので、是非、いろんなことにチャレンジしてください!

インタビューを終えて


鹿児島でブルーベリー農園を開園し、事業の安定に取り組む大久保聡さんのお話は、夢と情熱を持ち続けることの大切さを教えてくれました。競輪選手としてのキャリアを経て、新しい分野で奮闘する姿には、常に前進し続けようとする意志を感じました。これからも、大久保さんのますますのご活躍を楽しみにしております。

大久保さんがお話されていた「結構競輪選手ってタフなので、ぜひいろんなことにチャレンジしてください!」という言葉は、新しい道を切り開く鍵となるのでないでしょうか。これからセカンドキャリアを考える皆さまの一助となれば幸いです。

掲載日:2024年9月13日