インタビューNo.17 元競輪選手: 神園 剛さん | Tキャリあなたのセカンドキャリアを応援します!

自家用自動車管理事業に勤務されている元競輪選手

体育会系な見た目とは裏腹に、とても物腰の柔らかい元競輪選手の神園 剛(かみその つよし)さん。大切な休日のなか、お時間をいただき、お話を伺いました。

1989年4月14日デビュー(63期)
現役生活25年 通算成績197勝
・2014年7月31日に惜しまれつつ引退
現在、「大新東株式会社」に勤務


◆企業情報◆


「大新東株式会社」※企業ホームページはこちら


まずは競輪選手時代の思い出をお願いします。


高知競輪場とは何か縁があったのか、僕の初勝利、初優勝もすべてが高知だったんです。そのため「高知の穴男」と福ちゃん新聞の方に呼ばれ、いつも写真やDVDを送っていただいたこともあり、高知競輪場が大好きでした。
同期で広島の藤高一人さんとは、広島に行くと必ず食事に行く仲でしたね。彼はプロ野球選手とも親交があり、食事会に参加させてもらったりして、そういう方々とも知り合う機会にも恵まれました。養成学校時代から仲が良い長谷部薫さん、大分の吉田和彦さんとは、今でも季節物などを送りあう間柄です。
鎖骨を5~6回折り、最後には鎖骨に入れたプレートごと折れてしまい怪我が怖くなりました。変な話ですが、雨だと落車したときの怪我が軽く済むことが多かったので、雨の日のレースが好きでした。


引退を考えたきっかけは?


レース中の事故で肺挫傷を負い、1週間入院したことがありました。その事故で肩甲骨がズレてしまい、退院後の練習で “これだと復帰できないかもなぁ”と感じてしまったんです。ちょうど45歳で選手生活も25年を迎えていたので、引退するいいタイミングなのか⁉と思いました。


前職に就いた経緯を教えていただけますか?


怪我で入院をしていた時に、川上貴正さんが見舞いに来てくださり、その際に今後のことを少しお話させていただきました。すると、サテライト鹿児島天文館で募集があると教えてくださり、紹介していただいて、とんとん拍子で就職することができました。サテライト鹿児島天文館時代は現金回収や現金セット、開催場の立ち上げ業務などを担当していました。日本トーターさんの機械を扱っており、" 精算処理""破算処理""減算"など、懐かしく思います。


セカンドキャリアの進路に迷いませんでしたか?


それこそ、軽い気持ちで飲食店でもやろうかなと思ったこともありました。本当に深く考えずにちょこっと昼間にやればいいかなと。しかし、家族に相談したところ「そんな生半可な甘いものじゃない」と言われたので、軽率な考えはやめて就職を選びました。


現職に転職した経緯をお聞かせください。


久留米の久冨久貴さんと仲良くさせていただいていて、久冨さんから「どげんしよっとか?」と連絡をいただきました。当時、サテライトを辞めてポリテクセンター(職業訓練校)に通っていたので、そのことをお話しし、久冨さんの近況も伺いました。久冨さんは役員車両の運行代行をされているとのことでした。しばらくしてから、久冨さんが「鹿児島で募集があるから受けてみたら」と勧めてくれたので応募しました。面接時に他の応募者がいましたが、最終試験前に辞退されたため、一人で試験を受け採用していただきました。配属された鹿児島営業所の直野所長は何事にも親身なってくれるので、とても働きやすい職場です。


この仕事のご苦労は?


企業の社長の専属運転手として働かせて頂いているので、事故を起こさないように細心の注意を常に払っています。特に細い道では、いつでも止まれるスピードを保っています。また、時間の管理も重要です。道が混雑しているので迂回した時に、そちらも混んでいると冷や汗が出ることもあります(笑)
研修は担当してくださった方が本当に穏やかな思いやりのある方だったので、ストレスなく受けさせていただきました。


この仕事のやりがいを教えてください。


毎日、会社から携帯へ今日の安全運転標語がメールで送られてきます。それに目を通し、 “本日も安全運行が出来ますように” と念じながらハンドルを握り、お客様が仮眠をとってくださると “安心していただけているな”と感じます。自分の中では 動く応接室をイメージしているので、そのような時は嬉しく思いますし、達成感もあります。また、無事に送迎を終えた時に「ありがとう」と言っていただけると嬉しいです。お客様や会社から「真面目だね」「評判がいいですよ」と言って頂くと、とてもやりがいを感じます。


競輪選手時代の経験が役立っていることは?


上下関係というわけではありませんが、先輩後輩への気配りや目配りといった人間関係の経験が、現在の職場でも役立っています。

最後にこれからセカンドキャリアを考える後輩たちへアドバイスをお願い致します。


競輪しかないと重く考えないでいいと思うんです。競輪を辞めて次の仕事についても、なかなか “これだ!”っていうことも見つからないかもしれないし、自分に合わないと感じることもあると思います。その時は無理にしがみつかず、新しいことにチャレンジすることが大事だと思います。自分に合うことを探してみてください。それと、人間関係を大切にしてください。

インタビューを終えて


神園さんのお話を伺って、前向きな姿勢が職場での成功につながっているように感じました。特に印象的だったのは、競輪選手時代に培った人間関係の構築やコミュニケーション能力は、どのような職場でも重要なスキルであると思いました。
インタビューを通じて、キャリアチェンジの可能性と、それに伴う成長の機会について、改めて考えさせられました。神園さんの今後のさらなる活躍を心から期待しております。

セカンドキャリアを考える際には、自分に合ったことを探し、新しいチャレンジを恐れずに挑戦することが大切だというアドバイスは、競輪選手に限らず、多くの人にとって参考になる言葉だと思います。

掲載日:2024年9月17日