インタビューNo.18 元競輪選手:丸山大作さん | Tキャリあなたのセカンドキャリアを応援します!

競輪選手魂で修行した元競輪選手!

徳島で一番人気のラーメン店「いのこ」で修行をされた丸山 大作(まるやま だいさく)さんに、選手時代のお話や引退後のお話をお伺いしました。

1994年4月8日デビュー(73期)
・現役生活19年 通算成績143勝
2013年03月26日に惜しまれつつ引退
現在、「徳島ラーメン まる虎」経営


◆店舗情報◆


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まずは競輪選手時代の思い出をお聞かせください。


初めて優勝した小松島のレースが印象的に覚えています。先行で走っていた僕をかばって兄弟子の尾崎勝弘さんが落車をしてしまい、鎖骨を折ってしまったんです。優勝できたことは嬉しかったのですが、兄弟子に申し訳ない気持ちもあり複雑な思いをしました。そして、選手最後の日のことですが、なぜか色々な選手が「頑張れよ」とか声を掛けてくれて、いつもは怖いと感じていた先輩も温かく接してくれて、なんだか気色が悪いなぁと思いました。辞めることは同期にしか伝えていないはずと思っていたけど、あとで同期に聞いたら皆に話していて、なんだか結局みんな優しいし、温かいですよね。やっぱりすごい良かった思い出ばかりです。


引退を考えたきっかけは?


結婚のタイミングで、これからの人生設計を思い浮かべました。子供が成人を迎えるまで競輪を続けていたら、その先の生活が厳しくなると考え、引退を決断しました。


引退後のセカンドキャリアはどのように考えていましたか?


辞めたあとは飲食店なんかをしたいなぁと思っていましたが、実際はノープランで辞めました。


ラーメン屋に決めた経緯は?


焼肉屋とラーメン屋に実際働きに行って、ラーメン屋の方が堅実だと思い決めました。


修行はどのくらいされましたか?


修行させていただいたお店は競輪場の近くにある「猪虎(いのこ)」というお店なのですが、最初は飲食店を開くための職業体験としてバイトで入りました。しかし、大将が「覚えとったら食いっぱぐれはないと思うけん、覚えていき」と言ってくれたので、お世話になることにしました。3年間働かせていただいて、そのうちの1年半は仕込みの修行を行っていました。


修行中のご苦労は?


すごく気を使いました。初めの頃は焼肉屋とラーメン屋を掛け持ちをしていて、どちらの店でも役に立とうと一生懸命やりました。しかし、うまくできなくて。そんなある日、口が閉まらなくなってしまって、病院に行ったら「ストレスによる顔面神経麻痺」と診断されました。でも、やるしかないので、包丁の練習は家でネギを切るなどしましたよ。

店舗探しのご苦労はありましたか?


徳島は車社会なので駐車場が絶対に必要なんです。だけど、車が10台ぐらいおける店舗はないんです。あっても高くて。それがタイミングよく厨房屋から、ここに出店していたお店が移転すると情報をいただきました。駐車場は微妙でしたが他の場所が見つかる可能性も薄いので、不動産屋に借りる手配をしてもらいました。


お仕事のやりがいや醍醐味はなんですか?


先輩や同期が寄ってくれたりすると本当に嬉しいんです。それに一般のお客さまも選手みたいな知り合いじゃないのに根付いてくれて、なんか優しい人がいるなぁと思って。人と繋がりが持てるところですかね。

お店のおすすめを教えてください。


ラーメンは一種類しかないので、おすすめを聞かれるとトッピングのチャーシューなりますかね。チャーシュー大を頼んでいるのに追加でチャーシューを頼む人がいますよ。

最後にこれからセカンドキャリアを考える後輩たちへアドバイスをお願い致します。


僕はなんか選手時代と同じ感覚で今でもやっています。そう思えるのは自営業だからかもしれません。だから、自営業を選択する方はレースと同じような感じで頑張ったらいいんじゃないかなと思います。あと、ちょっと難しいんですけど、何かあったときにあんまり考えすぎない、考え込まないっていうのも秘訣ですかね。考え込んじゃうと本当に大変なことになると思います。結局、選手の時と一緒で頑張ることに一生懸命取り組むことが大切のような気がします。そもそも競輪選手になるってことも、すごいハードル高く狭き門でしょ。それを達成したっていうことは、何でもできると思います。選手になる時の気持ちと同じような気持ちでチャレンジしていったら、多分出来ないことは中々ないと思います。そこに気持ちをどう持っていくかだよね。
競輪の時は師匠について色々と教えてもらえましたけど、セカンドキャリアも相談できる人がいるといいですね。

インタビューを終えて


丸山さんのお話は、選手時代の思い出からラーメン店経営までの苦労の道のりと、後輩たちへの貴重なアドバイスをお聞きすることができました。全てが選手時代の精神力に通じている感じました。印象的だったのは、「考えすぎない」という言葉です。困難に直面しても前を向く姿勢が、競輪選手から飲食店経営者へと人生を切り開いたと思います。

丸山さんの笑顔からは、人とのつながりを大切にする温かさが感じられました。これからも多くの人々に愛されるラーメン店であり続けることをTキャリスタッフ一同で願っております。

掲載日:2024年10月15日